授業のテンプレート ~活動する内容~

授業改善・コラム
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こんにちは,はなまるです!

授業のテンプレート 3.活動する内容 です。

  1. 授業の型
  2. 提供する学習教材
  3. 活動する内容 本日の話

これまで,授業の型の作り方,授業で扱う教材の選び方と使い方のお話をしてきました。

今回は,教材を使った生徒の活動はどうしていこうか?というお話です。

授業の型における「活動させるフェイズ」でどう活動させるか,という話ですね。

どうぞお付き合いよろしくお願いいたします。


まず,活動のパターンから示そうと思うのですが大別すると以下です。

  • 個人活動
  • ペアワーク
  • グループワーク
  • 学びあい

個人活動は文字通り,個人で活動する形態です。周囲の人に頼らず,一人で読み,考え,書く活動です。

ペアワーク,グループワークはそれぞれ2人一組,数人で一組でチームを組み,チームで答えを導いたり,検討・議論をしたりします。

学びあいは,生徒の中で教師役を作り,生徒の中で教えると教わるの構図を作る形態です。有名なジグソー法などもこの中に含まれます。

どのやり方も一長一短で,扱い方を誤ればどのやり方でも生徒は伸びません。

逆に言えば,きちんとやればどのやり方でも生徒は伸びます。

よくアクティブラーニングに精通している先生で,個人活動はダメだという方もいますが,それはアクティブラーニングをはき違えているなぁと感じます。

アクティブラーニングにこそ,個人で考える時間が大切だと私は考えています。

そもそもアクティブラーニングという言葉が個人的には好きではないのですが…笑

能力の高い集団では,ある程度どんな活動を選んでも,教員の意図を汲んで成果をあげることができます。しかしそういった生徒の能力に依存する授業の作り方は,教員の力によるものではありません。

是非,生徒主体の活動においても,教員の力が光る授業がしたいものですね。

さて教材の選択を受けて,どの活動を選ぶか,でした。

これを選ぶときに一番大切にしてほしいのは「生徒の思考プロセスを追う」ということです。

具体的には以下の2つの状態をきっちり把握することです。

  • 何を「知っている」状態なのか。
  • 何が「できる」状態なのか。

この生徒の活動は,授業の型における「活動させるフェイズ」における活動なわけですが,

ということはその前に必ず「伝えるフェイズ」があるはずなのです。

その「伝えるフェイズ」までのクラス全体の状態をしっかりと教員側が把握していることが重要です。

当然クラス内にはいろいろな学習進捗の生徒がいますから,どの程度の割合が,どの程度できるのか,これをしっかりと見極める必要があります。

そこを見誤るとその先の活動はてんでうまくいきませんし,授業が終わった後の徒労感というのはここで発生してきます。

ではいくつかの状態を想定して考えてみましょう。


まず前提として,「伝えるフェイズ」できちんと内容を伝えていることが大切です。

生徒の理解が不十分な状態でいきなり「活動させるフェイズ」へ移行しても,生徒は何をすればよいか分からず,ただただ無為な時間を過ごすだけになってしまいます。

ここでは「伝えるフェイズ」は適切に終えた,として話を進めていきます。

例えばこんな状態だとします。

  • 伝えるフェイズで伝えたことは(なんとなく)わかっている状態だが,
  • それを使って問題を(すらすらとは)解けない状態。

そんなときは, 下手にペアワーク,グループワーク,学びあいなどの集団活動をさせてはいけません。

まずは個人活動をして,できないということを自覚させて,何ができないか,わからないかをあぶりだす時間が必要です。

ペアワーク,グループワーク,学びあいにおけるメインターゲットは,教わる側です。

重要な働き手は教える側ですが,そこに入る子というのはたいてい放っておいてもできる子です。

集団活動が機能するためには,教わる側が適切に教えてもらえる状況づくりがとても大切なのです。

質問をするにしても,だれかを頼るにしても,「何がわからないかわからない」状態では,教わる側が何を教わればいいか分からず,そして教える側も何を教えればいいかがわからないため,だらだらと時間が過ぎていきます。場合によっては私語がはじまります。

生徒たちは何をすればいいかわからないとき,内容がよくわからないとき私語に走ります。

私が授業する場合は「三分間自分でやってみなさい。そこで合図するからそこからは自由に動き回って教わりたい人に教わりなさい」とすることが多いです。私語が発生することはまずありません。できている子も存在し,できない子は何を教わりたいか分かっている状態だからです。

個人活動は大切です。他人と向き合う前に,まず自分に向き合わないといけないと私は考えます。


ではこんな場合はどうでしょう?

  • 伝えるフェイズで伝えたことはわかっている状態で
  • それを使って問題を(なんとなくでも)解ける状態。

こんな状態のときは,ペアワーク,学びあいが機能します。いきなり集団活動してもいいですし,個人活動を一旦はさむことも効果的です。混在させることもいいでしょう。

私が授業をするときは

「一人で考えたい人は一人で考えてていいし,少しヒントが欲しいときには隣の人をのぞき見してみてもいいよ」

「一人でまずやってみて終わったら立ち上がって伸び(背筋を伸ばすストレッチ)をなさい。伸びをした人は自由に動き回ってよし。わからない人は伸びをした人を頼ること」

などと声掛けをします。

個人の進捗に合わせて個人活動と集団活動を選ばせるということですね。下手に枠にはめてしまうと,できる子は退屈してしまいますし,できない子は質問のタイミングを逸してしまいます。

全体の理解度がある程度高い時は,流動性の高い活動が効果的です。


ではグループワークはどんなときに有効なのでしょうか?

個人的にはグループワークは何かを教えあいたいときには向いていないと考えています。

なぜなら4人ないし5人のグループで活動するときに教えあいが発生しても,それはグループで共有するのが難しいことが多いからです。

わからない部分は人それぞれ違いますから,わからないことについて教え・教わる活動がグループ内で発生したとしても,「そこがわからないわけじゃないんだよなぁ」と思っている子は手持無沙汰になってしまいます。

形式上真面目にグループワークをしていても,頭は事実上使っていない状態です。こんなにもったいない時間はないわけですね。

4人グループ内で教える子が2人,教わる子が2人の状態であれば解消するのではないか,という意見もありますが,それならペアワークで十分です。

グループワークが最も機能するときは

  • 伝えるフェイズで伝えたことが十分理解できている状態で
  • それを使って課題を十分に解くことができる状態

のときです。そして特に

答えが一つに収束しない課題に取り組むときが最もグループワークが輝くときです。

全員が教える側の状態になっていて,なおかつその意見が分かれているときがもっとも活動が活発になります。

実は一番扱う難易度が高いのは,グループワークなのです。

それをはき違えて,「とにかくグループワーク!」とやっているのは

教員が「アクティブラーニング型の授業をやっている」と自己満足をしている状態なのです。

それではちっとも活動が深まりません。

例えば,教員研修などでいきなりグループワークを要求してくる指導主事の先生っていませんか?

「学習指導要領においては言語活動の充実が重要であるとされています。では,言語活動の充実のためにはどうすればよいか,グループで話し合ってみてください」

唐突にこんな投げかけをされてグループが固まった経験とかないでしょうか?

それでも教員のグループであればどうにかグループワークできてしまいます。それはそもそもの知識量の多さとコミュニケーション能力の高さ,そしてモラルの高さがあるからです。

少しの時間でどうにか断片的にでも議論するためのパーツを準備し,それらを共有する中で自分の意見を再構築し,グループとしての意見を構築する道筋をたどることあできます。高いモラルがあるから私語なんて起こしません。

しかし生徒はそうではありません。

何を議論すればいいかわからなければ議論は行われません。

そして「なんで議論しないんだ!」と怒る先生。最悪な状態です。

グループワークとは,問いかけや課題設定,グループの作り方,それらを含めた「場づくり」ができてはじめて機能する活動なのです。

グループワークがうまくいってないな,と感じるときはそこの準備が不足している場合がほとんどです。生徒側の責任ではありません

ですから,グループワークを選択するときは,実に慎重に,入念に授業の型を練ってから行うことをお勧めします。


いかがでしたでしょうか?

以上で授業のテンプレート 全3段階終了です。

授業づくりは白紙の状態から一から作るのではなく,ある程度決まった構成パーツを組み合わせて作ると効率的で効果的です。

授業の作り方をきっちり教わることのできる場が少ないのが,教育現場の実情です。

これはプレゼンの仕方を教わる機会がないのに,いきなりプレゼンをしなさいと言われている社会人全般に言えることかもしれませんね。

どんなプレゼンにおいてもテンプレートがあります。学校の授業もそうなのです。

まずはしっかりとテンプレートを意識して作ってみてください。

そしてそのテンプレートに,教員の個性を肉付けしていくことで,教員「独自」の授業ができてきます。

どんな素晴らしい独自性の高い授業をしている先生も,最初からできていたわけではありません。

いろいろなテンプレートを試し,その中で培ってきたものなのです。

しかしその辛い試行錯誤をしないと授業のテンプレートを学べないのは,非効率的だなぁと日々感じています。

もっと新米・若手教員がそのテンプレートを早くに学び,独自性を出せる段階がもっと早くなれば,もっと学校全体の授業がよくなるのに,と思います。

自分が苦労して経験をして得たノウハウなのだから,君たちも苦労しなさい。

そういうのが蔓延している業界とも言えます。それでは全体はよくなっていきませんよね?

最近はそこに一石を投じるような,↓のようなWEBサイトが増えてきたように思います。

Find!アクティブラーナーのリンク
FInd!アクティブラーナー

ここで登場している授業は,独自性の高いものが多いので,そっくりまねようと思うとうまくいきません。まずはいろいろな授業を研究して,こういうやり方もあるのかーと知識を増やすことが大切です。

同じ学校の先生の授業も宝の山です。

私は教科関係なくいろいろな先生の授業見学をしています。

「これは自分の教科の授業に使えるな」「このやり方は知らなかったな」

いろいろ考えるはずです。面白いと思える授業,生徒の力を伸ばしていると感じる授業とはどんな授業なのか,身近なところで研究ができます。

これは若手の先生の特権とも言えます。なかなか勤続が長くなってくるとお願いしづらくなります笑

ぜひいろいろな教科の先生の授業を見学に行ってくださいね。

私のノウハウも,授業づくりで悩んでいる皆さんの参考になればうれしいです。

長い記事でしたが,ここまでお読みいただきありがとうございました。

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